90年代の青春とインディロック!エンパイアレコードのレビューとイラスト

エンパイアレコードのあらすじ

ローカルなレコードショップ「エンパイア・レコード」では個性豊かな若者メンバーが働いていています。好きな音楽を流したり、踊ったりと自由にやりたい放題。店の経営が上手くいかなくなったオーナーのジョーはお店を大手フランチャイズのミュージックタウンへ売却しようとしてしまいます。

倒産の危機に見舞われたお店を救うために、店員の一人であるルーカスはお店の売り上げをこっそり盗み、全てギャンブルにつぎ込んでしまうという荒業に出ます。

その賭けに負けてしまい…

エンパイアレコードの感想

90年代のアメリカの若者文化を象徴する映画は「Reality Bites」など様々ありますが、私にとっての映画は断然『エンパイアレコード』!(とかいいつつまだ公開時まだ生まれてすらいないんですけどね)なんでまたそんな地味でマイナーな映画が…と思う方もいると思いますが。いい意味で「傑作じゃない感」がよき時代へのノスタルジーを感じさせてくれるんですよね。「青春映画の金字塔」とは呼ばれないような作品ですが、私は好きですよ、このくだらなさ。当時は有名な批評家達から「駄作」と評された作品ですが、巷ではインターネット界隈でじわじわ人気になってきているという噂も。一部ではカルト的人気を博しているみたいです。

何を思ったのかお店のお金を全部ギャンブルにつぎ込んじゃうルーカス、病みすぎて衝動的にスキンヘッドにしちゃうデブラ、好きな気持ちをコリーに告白できないA・Jなど、とにかく全員愛おしいバカで痛々しいのがまた青春。

当時のレコードショップの雰囲気が感じられてわくわくしましたね。私はちょうど子どもから思春期時代にかけて、CDからサブスクリプションサービスへと移行していくのを見届けた世代なのですが、ヘッドホンで購入前に試聴していた子ども時代を懐かしく思い出しました。良くも悪くも今のように軽々しく音楽を聴けなかったですし。CDやレコードがフィジカルプロダクトとして売れるという意味ではアーティストにとってはいい時代だったかもしれません。

若さゆえの無鉄砲さと、笑ってしまうほどの楽観的なエネルギーが渦巻いています。ジーナがコヨーテ・シバーズの「Sugar High」を熱唱するシーンもあり、90年代オルタナティブロックの空気が好きな方には特におすすめです。

長いものに巻かれないで、お金や地位よりも自分の大切なものが何かわかってるってことが大事。ヒップスター精神を思い出させてくれる作品です。気持ちがスカッと晴れやかになる。

*ヒップスターとはロックなどのオルタナティブ・カウンターカルチャーやインディーズ文化、アートを好む中産階級の若者

1990年代のファッションがレトロ

A・Jのだぼっとしたセーターかわいいです。

ストーリーの他にも注目すべきなのは90年代に特徴的なファッション。

当時の流行はグランジファッションやプレッピースタイル。これらを組み合わせた粗野ながらも、落ち着いたレトロなファッションがこの映画を彩っていますね。

コリーはハーバード大を目指す、いわゆる純粋な女の子。しかし彼女は夜ふかしするためにヤクを使用していたり、落ちぶれた一発屋のスター(おっさん)に初めてを奪われたいという願望があったりと、ぶっ飛んだ一面も持ち合わせています。コリーの腹出しセーターとミニスカートというエッジの効いたファッションは純粋なコリーに見え隠れする狂気も表現してるのかも。

人生はレコードに似ている。回転するから。

クスリキメちゃってる若者が人生語っちゃう、その愛すべき軽薄さがツボ。

Empire records
エンパイアレコード
映画情報
【米国公開日】1995年9月22日
【日本公開日】1996年8月24日
【製作国】アメリカ【上映時間】90分
【監督】グレタ・ガーウィグ
【出演】リヴ・タイラー、アンソニー・ラパーリア
マックスウェル・コールフィールド、ロリー・コクレーン、レネー・ゼルウィガー
3.6

何も考えずに見れる!

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